歩く食いしん坊ライターのことです。
予約が取れないお店として知られるフレンチレストラン「Crony」(クローニー)。
ミシュラン二つ星を獲得しています。
たまたま予約できたと友人から連絡があったので行ってきました。初訪問。
いつもいつも、素敵なお店にお誘いくださる方が多くて感謝しかありません!
ちょっといいお店に行きたいけど誘える人がなかなか…という方!ぜひお声がけください。
というわけで、今回は赤羽橋の一軒家レストランCrony(クローニー)のコース料理を紹介します。
Crony(クローニー)という店名の由来

赤羽橋駅から徒歩1分。小さな公園の向かいに佇む一軒家レストラン。
それが、今回紹介するCrony(クローニー)です。
Cronyとは「永続的な茶飲み友達」という意味があるのだそう。
建物の佇まい、入り口の雰囲気からして期待感でいっぱい。
ここから、もうすでにストーリーが始まっています。
なかに入ると、左手にキッチンがあります。オープンキッチンで、シェフたちが料理をつくっていました。右手は待合スペース。
1階でいきなりお料理する姿を目の当たりにできる設計はかなり珍しい。
客用のテーブルは2階にあります。階段を上がって2階へ。
席に着く前に「お手洗いは大丈夫ですか?」と聞かれるのも初めてかも。
寒かったので、ちょうどトイレに行きたかったんですよ。タイミングが良すぎてびっくり。
トイレを済ませて席に着くと、素敵なカードが置かれていました。

カードを取り出してみると、本日のメニューとお店のコンセプトが書かれていました。
おまかせコースなので、なにかを選ぶといった手間はありません。
ただただカードを読んでワクワクすればよいのです。
コース料理全18品を紹介
おまかせコースの料理はなんと全18品!
どんなお料理が出されるのかワクワクします。

まぁお酒飲みなのでね。
やっぱりスパークリングワインから飲みたいんですよ。
スパークリングといってもシャンパーニュです。へへへ。
こういう場でお酒代のことは気にしちゃいけません。
お料理に合ったものをいただきます。
ここからはお料理を順番に紹介していきますね。
どれも美味しいことは前提。語彙力ないので、あんまり凝った表現はできないので、そこはご容赦ください。
ちなみにアレルギーのあるもの、苦手なものは事前にお伝えしてあります。
18品もあるので長いですよ(笑)
でも最後まで読んでくださいね。
あと、メモをとっていないのでソースの詳細はお伝えできません。ごめんなさい。
長峰製茶さんの東平玉露

1品目は、静岡県焼津の「長峰製茶さんの東平玉露」です。
は?ただの緑茶じゃん!
そう思った人もいるんじゃないかと思いますが、これ、ただのお茶じゃないです!!!
私、もう1品目からガツンとやられちゃいました。
これはスープです。完全に。
私、静岡出身なのでいろんな緑茶を飲んでいますが、これは別物としか言いようがありません。
香りもいいし、ほんのり甘みのあるお味。
筋子 銀毛(ぎんけ)鮭

う、うつくしい!
見た目からも美味しさが伝わってきます。
2品目は北海道枝幸(えさし)町の銀毛(ぎんけ)鮭の筋子を使ったタルトです。
「一口でお召し上がりください」とのことなので、一気にパクリ!
筋子の旨みが口に広がる。これぞ至福の時間!
ぷちぷち感がたまらない。
河田ファームさんの北海黄金のポムスフレ

3品目は、北海道十勝の河田ファームさんの北海黄金(ほっかいこがね)のポムスフレです。
トリュフがめっちゃ乗ってる!ものすごいインパクト。
北海黄金という品種のじゃがいもを中空状に揚げてあります。
言ってしまえばトリュフの乗ったポテチなんですが、どうやって中を空洞にしているの?と素朴な疑問が。
いや、もうそんなことは考えずに、感じるままに食べたらええんよ。
気になって後日調べてみたんですけど、薄くスライスして形を整えてから揚げると膨らむらしい。
ポテチと呼んでいい代物ではありませんね。ポムスフレです!
秋太郎 完熟パプリカ

4品目は鹿児島の甑島(こしきしま)の秋太郎(通称:バショウカジキ)と完熟パプリカです。
鮮やかなピンク色。
思わず「キレイ!」と声に出しちゃいました。
添えられているチップスもお魚の形をしていて凝ってる。芸術品です。
カジキマグロが美味。食材の味を活かした逸品。
オーム乳業さんのクリームチーズ

5品目は、福岡・大牟田のオーム乳業さんのクリームチーズです。
金粉が乗っていて、見た目が華やか。
お料理が運ばれてくるたびに、その美しさに感動。もちろんお味も。
ドーナツのような生地のなかにクリームチーズが入っています。
ここまでがアミューズ的な感じかな。
甘海老 源助大根

お料理が置かれるたびに「うわぁー!」となりますよ、ほんと。
このお料理も美しい。
6品目は、北海道羽幌町(はぼろちょう)の甘海老と源助大根(加賀野菜)です。
まだ6品目なんで、あと12品ありますからね。
甘海老がぷりっぷり。
秋刀魚 玉葱 秋トリュフ

トリュフで秋刀魚が見えません!
7品目は、北海道根室の秋刀魚に玉葱、秋トリュフです。
玉葱はソースの横に添えられていて、飴色よりさらに炒められています。
玉葱の甘さが引き立ちます。
トリュフと秋刀魚の組み合わせが絶妙。幸せすぎます。
かつお菜 昆布 金子さんのキャビア

はい、キャビアきました!
8品目は、徳島のかつお菜に昆布と金子さんのキャビア添え。添えられてるっていう量じゃないですが。
「かつお菜」って初めて聞く食材でした。もともとは福岡の野菜らしいですが、こちらは徳島県産でかなり珍しいみたい。
金子さんのキャビアは、金子コードという会社が養殖している安心・安全なキャビアとのこと。
選び抜いた食材ですね。
サステナブルなお店なだけあります。
ここで、2杯目は白ワインをお願いしました。
何がお料理に合うのかわからないので、好みを伝えてソムリエさんにお任せ。

多少ワインの知識はありますが、こういう時は見栄を張りません。お任せが間違いないので。
日本酒のサワードゥブレッド 酒粕

9品目は、大分・臼田の日本酒のサワードゥブレッドです。酒粕のバターと一緒に。
驚いたのは、パンはソースを拭うために提供されるのではなく、一つのお料理として捉えていること。

結構大きいです。
これを食べられる量だけカットして、ベイクしてもらいます。
外はカリッと、なかはふんわり。
たしかに立派な一品です。そして酒粕のバターとよく合う。
ここまでが前菜なのかな。品数が多いので、アミューズと前菜、メインの境界線があいまい。
残ったパンはお持ち帰りできます。
以前に行った関内の菅井の炊き込みご飯もそうでしたが、食べきれないぶんをお持ち帰りとして包んでくれるのは嬉しい配慮ですね。
大瀬戸水産さんの伊佐木 高橋さんの小人参

いよいよメインへ。
10品目は、和歌山・大島の大瀬戸水産さんの伊佐木と高橋さんの小人参です。
イサキの皮がパリッととしていて、身はふわっとやわらか。
小人参も人参の甘さが際立っています。
イノシシ 小蕪

11品目はお肉料理。大分・山香町のイノシシの小蕪添えです。
私、ジビエってそんなに得意じゃないんですよ。
でもね、それってかつて食べたものの印象が良くなかったせいで…
食べてみると臭みもないし、固くもない。
ソースにも塩にもよく合うイノシシ肉でした。

で、見てくださいよ、この小蕪の切り込み。
美しすぎません?
細かいところまでこだわりが感じられますよね。

メニューには書かれていませんが、スープが出てきました。
といっても、お料理で使ったブイヨンです。余すことなく使い切る。
こういうところもサスティナブル。
お肉のあとにほっと休まる一品でした。
チーズ工房アドナイさんのミモレット

ここからはデセールになります。
12品目は、北海道・興部町(おこっぺちょう)のチーズ工房アドナイさんのミモレットです。
これも一口で。
口のなかに入った瞬間、チーズが溢れ出しました。
カカオでコーティングされている、とても繊細な逸品。
森谷さんのラ・フランス バニラ

お皿が置かれた瞬間に「かわいいー!」と叫んで(実際は叫んでない)しまったのが、こちらのデザート。
13品目は、山形県・天童の森谷さんのラ・フランスとバニラです。
「かわいい」が溢れてます。
長峰製茶さんの東平玉露 本みりん

こちらも見た途端に「ひぇー!」となった一品。
14品目は、1品目に出てきた静岡県焼津の長峰製茶さんの東平玉露の本みりんです。
そう、1品目の茶葉を再利用してアイスにしています。サスティナブル。
繊細な葉っぱにうっとり。米粉チップスでできているそう。
どうやってつくるの…?
もはや芸術品でした。
それにしても、あのスープみたいなお茶の葉が、今度はアイスとして出されるなんて!
コース料理のなかに壮大なストーリーがあって、感動せずにはいられません。
ミニャルディーズ4品

最後15〜18品はミニャルディーズとして一度に提供されました。
かわいい。
左下から反時計回りに、「新潟・草野さんの蜂蜜のマカロン」「高知・土佐の塩丸の塩キャラメル」「北海道・三笠の燻製したマドレーヌ」「KAOKA社の軽いガトーショコラ」です。
コーヒーの写真を撮り忘れましたが、コーヒーもこだわりの品でした。
うれしいお土産つき

雰囲気もお料理も最高のお店でした。
もちろんお会計もスムーズ。
出口でシェフがお土産を渡して、お見送りしてくださいます。
1階に厨房があるのも、そういう動線を考えてのことなのかもしれませんね。
あんまりお値段の話はしたくないですが、おまかせコースは2万5,000円(サービス料別)です(2024年11月現在)。
私はワインを2杯いただいたので、そこからさらにプラスで3万5,000円くらいでした。

お土産は、お料理としていただいた日本酒のサワードゥブレッドです。食べきれなかったぶん。美味しく食べるコツを書いた紙も入っていました。
友人と「さすがだね」と話していたことがあります。
ご一緒した方はお土産のなかにアレルギー食材が使われているので、私とは別の食材を使ってもらっていたんですね。見た目はまったく同じで目印もないのに、間違えることなくお土産を渡されたんですよ。
彼女は常連さんなのですが、これまでも一度も間違えられたことがないと話していました。
こういうきめ細やかな心遣いが本当に素晴らしいお店です。
独特の世界観に浸りながらフレンチを堪能
Cronyは、入る前から出るまで独特の世界観に浸れるお店です。
あの感動をもう一度味わいたくて、また行きたくなる。
今度はどんなストーリーを魅せてくれるのだろう?
そんな期待感でいっぱいになりました。
美味しいお店は数多くあっても、こんなにワクワクさせられるお店にはなかなか出会えません。
頻繁に行けるお店ではないかもしれませんが、次回は別の季節に行ってみたいなと思っています。
<店舗情報>
Crony(クローニー)
〒106-0044 東京都港区東麻布1-20-3
(都営大江戸線赤羽橋駅から徒歩3分)
電話番号:03-6712-5085
営業時間:18:00〜23:00(予約制)
定休日:日曜日
ホームページ:https://www.fft-crony.jp/
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