2020年1月18日(土)に「#被災地農家応援レシピ」のイベントがおこなわれました。「#被災地農家応援レシピを作る会」として、シェフや料理研究家のみなさんが公開してくださったレシピで、実際に料理を作るイベントです。
被災地の農家さんの食材を使って、料理人の方々と一緒に料理を作ったよ!
本当に楽しかったし、おいしくて素敵な会でした!!!
私は、運営スタッフの1人として参加。レポート担当です。
私が「#被災地農家応援レシピ」に参加した経緯についてはこちら↓
ここではイベントの詳細を写真盛りだくさんでレポートします。
「#被災地農家応援レシピを作る会」ができたきっかけ
そもそも「#被災地農家応援レシピ」ってなに?「作る会」って?
「#被災地農家応援レシピ」とは、2019年の台風19号で被害にあった農家さんの野菜や果物を使って料理し、食べることで農家さんを応援するボランディア活動です。
発案したのは南仏在住の神谷隆幸シェフ 。活動に賛同したシェフや料理研究家の方々がレシピを無料で公開し、続々とレシピが集まりました。レシピを見た人が被災地の食材を注文し、作った料理をハッシュタグ「#被災地農家応援レシピ」をつけてTwitterにアップするのがおもな活動でした。世界的な広がりを持てるよう「#cookforjapan」としても活動しています。
私は、ライターとして「#被災地農家応援レシピ」のレシピブックを作る活動に参加しています!
被災地農家応援レシピの活動は、メディアに取り上げられ、いまも注目を集めています。
けれども、レシピブックを作るにはお金も時間もかかります。本が完成した頃に活動が忘れられていたら元も子もありません。作成に取りかかるまでの時間を有効に使う方法を考える必要がありました。
今後も被災するかもしれない農家さんのためにも、活動をアピールし続けたい!
そうして誕生したのが「#被災地農家応援レシピを作る会」です。
レシピブック作成のとりまとめをしている江六前一郎さん が中心となり、料理イベントを開催することになりました。
こうして参加者の募集が始まりました。
料理はただの主婦レベルなので、私はレポート担当!
レシピの決定や食材の調達などは、担当の方々にすべておまかせ。準備期間中、私はほとんど何もしていません・・・
みなさんテキパキ動いてくださり、あっという間に詳細が決まりました。
「#被災地農家応援レシピを作る会」イベント開始!
ありがたいことに、多くの方に申し込みいただき、参加者14人とお子さん5人、そして運営スタッフでイベントが開催されることになりました!
雪まじりの雨の中、11時にイベントがスタート。
イベントが開催されたのは葛西駅から徒歩3分の「葛西スペース」さんです。
葛西スペースの「 たけちゃん 」こと赤松武子さんは、お子さんの扱いにとても慣れた方。”包丁の使い方”を子どもたちに優しく説明してくれました。
江六前さんの開始の挨拶で、調理がスタート!
今回調理する4品はこちらです。
・いしさんの「カブとリンゴのサラダ」
・小野田さんの「リンゴのベーコン巻き」
・そるるなさんの「牛スネ肉と大根のデミグラスソース煮込み」
被災地農家の食材は以下のとおり。葛西スペース内で販売もしました。
長野で被災した「 フルプロ農園 」さんのリンゴ↓
千葉で被災した「 自然野菜のら 」さんの野菜↓
見るからに新鮮で、そのまま食べたいほどでした。
では、それぞれお料理ごとに紹介していきますね。
野田さんの「カマンベールチーズとリンゴのタルティーヌ」
おつまみは、横浜・戸塚にあるレストラン「 Hitotsu 」のシェフ野田さんの「カマンベールチーズとリンゴのタルティーヌ」です。
初のレシピ投稿です。 <カマンベールチーズとリンゴのタルティーヌ>
台風の被災地農家さんの食材を使ったレシピ提供をコラボディナーでお世話になった神谷シェフがしていたので、少しでも協力出来たらと思い…
ご家庭でもできるレシピにしました#被災地農家応援レシピ pic.twitter.com/lRnQ6SQced— Kazutoshi Noda @Hitotsu〜横浜市戸塚区〜 (@NodaKazutoshi) November 1, 2019
見た目がとても上品ですよね。「本当にこんなふうに作れるの?」と思った方、ご安心ください!この料理は、火を使わない作業は子どもたちがやってくれました。
野田シェフご本人は参加できないので、代わりに料理のサポートをしてくれたのは食品ロス問題に取り組むフリーの料理人「みっきー 」さんです。
事前に各テーブルにそれぞれの料理の食材が置かれています。
「カマンベールチーズとリンゴのタルティーヌ」の食材はこちら↓
おいしそうなパンは、馬喰横山にある「BEAVER BREAD」さんのもの。食材調達を担当してくれた料理人「 チランさん 」おすすめのパン屋さんです。
ちょっとだけ試食させてもらったけど、そのまま食べてもおいしい!!
まずはリンゴをカットして、バターでソテーします。
ソテーしている間にパンをカット。子どもたちが担当です。
とっても楽しそうな顔をしています。
カマンベールチーズも、みっきーさんの指導のもと、子どもがカット。ナイフを使うのは初めてとのこと。危なっかしいところもありましたが、ちゃんと切り分けてくれました。
大人チームはバルサミコ酢を煮詰めます。
パンにカマンベールチーズとリンゴを乗せていきます。
それからナッツを散らして、バルサミコソースをかけます。
本当に子どもたちが大活躍!
野田さんが家庭でもできるように考えてくださったレシピ。とてもおいしそうに仕上がりました。さすがです。
いしさんの「カブとリンゴのサラダ」
サラダとして選んだのは、「土佐しらす食堂二万匹」のシェフ「 いしさん 」こと石川さんの「カブとリンゴのサラダ」です。
遅くなったけど僕からも #被災地農家応援レシピ
カブとリンゴのサラダ
カブ(中1)リンゴ(半分)をひと口大に。クレソン2本は5㎝長、カブ菜なら5㎜に。生ハムスライス2枚も食べやすく切る
全てボウルに入れて塩一つまみ入れて軽く混ぜ、パルメザンチーズ大さじ1オリーブ油大さじ1をふって完成。 pic.twitter.com/aYDMia3U4X
— いしさん🌘CookforJapan 被災地農家応援レシピ (@u1_i) October 30, 2019
いしさんご本人が参加してくださいました!
「カブとリンゴのサラダ」の食材はこちら↓
(今回はクレソンではなくわさび菜です)
手軽にできるので、ほかの料理と同じタイミングで出来上がるようにのんびりとスタート。
みなさん、リンゴを切りつつ「お味見」も・・・
それが料理をする人の特権というもの(チランさん談)。
加工用のリンゴだという話でしたが、十分においしい!!!
カブをカットし、生ハムは食べやすいサイズにスライス。わさび菜もちぎります。
塩加減はシェフの感覚もあると思うので、いしさんにおまかせ!
彩りキレイに仕上がりました。
盛り付けたお皿を子どもたちが積極的に運んでくれました。
本当に子どもたちが楽しそう。みんなの目が輝いています。
見ただけで「おいしい!」って分かりますよね?
小野田さんの「リンゴのベーコン巻き」
温菜に選んだのは、愛知県豊田市で 車街酒場WAO! を営む「 小野田さん 」の「りんごのベーコン巻き」です。
KAMIYAシェフ@Taka09KMY 発信の復興、復旧を願った今回の支援プロジェクト。
僕からはまず昨年長野県の農家さんを訪れた際に食べた【リンゴのベーコン巻き】を紹介します。一度の大量消費には向きませんが手軽にできる為皆さんもすぐにできるかと思います。この時の味付けは塩、レモンです。 pic.twitter.com/7h1EGtM34r— 小野田 裕也@WAO!🍖🍰 (@yuyacake0301) October 25, 2019
小野田さんの代わりに調理をサポートしてくれたのは、食材の調達を担当してくれた「チランさん」です。チランさんはわざわざ広島から駆けつけてくれました!現在、お店の開業準備中だそう。
「リンゴのベーコン巻き」の食材はこちら↓
(ベーコンはまだ冷蔵庫の中です)
子どもたちがリンゴのカットに挑戦!ママと一緒に頑張ります。
ピーラーでリンゴの皮をむき、ベーコンもカット。
慣れない包丁に疲れると、カットしたリンゴを食べてエネルギーチャージしていました。食べ過ぎそうになって、ママに止められている姿も微笑ましい光景!
カットしたリンゴにベーコンを巻いて、竹串にさしていきます。
巻き終わったら、フライパンで焼いていきます。
焼き上がりました!味付けはシンプルに塩とレモンです。
そして、チランさんが大葉と梅肉を乗せてアレンジバージョンも作ってくれました。
そるるなさんの「牛スネ肉と大根のデミグラスソース煮込み」
メイン料理は、料理研究家「 そるるなさん 」の「牛スネ肉と大根のデミグラスソース煮込み」です。
“牛すね肉と大根のデミグラスソース煮込み”
この時期になるとアクセスが殺到するレシピです。
通常はじゃがいもが入るところですが、我が家は大根が入ります!#そるるなさんちの台所#お腹ぺコリン部#料理好きな人と繋がりたい#大根#牛スネ肉https://t.co/FiH9rMbPhT
— そるるなさんちの台所@マイペース料理研究家 (@sollna_kitchen) December 2, 2019
そるるなさんご本人が参加してくださいました!
なんとこの日のために連日試作を重ねてくださったそう。真摯な姿勢に頭が下がります。
今回のメイン料理は時間がかかるため、スタート後すぐにみんなで仕込みを始めます。
「牛スネ肉と大根のデミグラスソース煮込み」の食材はこちら↓
そるるなさんが食材について1つ1つ丁寧に説明し、手を動かしつつも調理のポイントも伝えてくださいました。
みなさん積極的に動いていて、あっという間に食材のカットが終了。牛スネ肉を調理するのは初めてという方もいましたが、そるるなさんが牛スネ肉の特徴とカットのコツをレクチャーしてくれたおかげで、順調に作業が進みました。
牛スネ肉と一緒に赤ワインで漬け込んだ玉ねぎとキウイ↓
煮込み用のニンジンと赤大根、付け合わせの芽キャベツ↓
次に野菜を炒めていきます。
炒めたら炊飯器に投入!
今度は牛スネ肉を炒めて・・・
炒めた牛スネ肉も炊飯器に入れます。
水とコンソメを加えて、スイッチオン!
炊飯が終わったら、デミグラスソースとケチャップを加えます。
見るからにおいしそう!!!
そるるなさんは前菜が出来上がって、みんなが食べている間も煮込み具合をチェックしていました。プロのこだわりを感じますね。
番外編:もったいない料理人みっきーの「食品ロス削減メニュー」
みっきーさんはもったいない料理人として、今回の調理で余った野菜の根元や皮、果物の皮や芯を使って、2品作ってくれました。
家庭で料理したら捨ててしまうであろう野菜クズ(実際はクズじゃないです)をとても素敵な料理に変身させてくれました。
ここまで使い切ってくれたら、きっと農家さんも喜んでくれるはず!
まずは、リンゴの皮と芯、レモンを赤ワインで煮詰めていきます。
これをパンの上に乗せて、キレイな小花にします。そこにゆずの皮を添えると・・・
こんなに素敵な1品になりました!ほんとすごい!!
そしてお次は、かぶの葉や赤大根の皮、わさび菜の茎などを刻んでいます。
そして、塩とレモン、オリーブオイル、パルメザンチーズで和えています。わさび菜の葉は別に置いてあって混ぜていない・・・?
葉はそのままお皿に盛り付けて、その上にマリネにした茎や皮を乗せると、葉にも味が伝わってちょうどいい塩梅になるのだそう。
すごいアイデア!私も家では食品ロスに気をつけよう!
そうして出来上がったサラダがこちら!
料理をしている間に、こんな特別ゲストも!
実は、お料理をしている間にリンゴを送ってくださった「フルプロ農園」の徳永虎千代さんがzoomで特別に登場してくれました!
突然画面に現れたイケメンに食いつく子どもたち(笑)
それはともかく!
徳永さんが今の被災地の現状を話してくれました。
そして、みんなからの「リンゴおいしいよ!」の言葉にとても喜んでくれた様子。
いしさんともお話していました。
最後にみんなで「頑張ってね!」とエールを送って中継は終わります。とってもいい雰囲気!!!
いよいよ実食の時間!
参加者の方々がスパークリングワインや日本酒を差し入れてくださいました。
(お酒好きの私にはありがたい!!)
メイン料理の完成を待ちながら、乾杯します!
どのお料理も本当においしい!!!(ライターなのに、語彙力なくてごめんなさい・・・)
料理人の本物の味、しかも1人じゃなく、6人のコラボです!めっちゃ贅沢だと思いませんか?
その間に、そるるなさんのメイン料理も完成しました!
芽キャベツが添えられて、彩りも鮮やかです。
牛スネ肉もとても柔らかく煮込まれていました。
子どもたちもおいしそうにモリモリ食べています。
お腹いっぱい料理をいただいたあとは、テキパキとお片付け。みんなで農家さんにメッセージも書きました。
まだまだ字が上手に書けない年齢の子が多いにもかかわらず、一生懸命書いてくれました。
イベント終了後に、野菜とリンゴを販売しましたが、あっという間に完売。私はわさび菜を購入しました。
販売時、イベントに参加してくださった方の1人がこんなことを話してくれました。
「私は長野とも千葉とも縁が深くて、今回の被災地の様子はとても人ごととは思えませんでした。こうして、イベントに参加することで、少しでも被災地の役に立てたら嬉しい」と。
「#被災地農家応援レシピを作る会」が開催できてよかったと心から思いました。
「料理は人を幸せにする」を象徴する会でした
今回の「#被災地農家応援レシピを作る会」のイベント、控えめに言って最高の会になったと思っています。
写真の笑顔を見たら、その楽しさが伝わるのではないでしょうか?
あらためて「料理は人を幸せにする」と実感できた日でした。
「#被災地農家応援レシピを作る会」の活動はまだまだ続きます。次回のイベントは3月14日に開催予定です。
Twitterやnoteで告知しますので、興味のある方はぜひ参加してくださいね!
神谷隆幸シェフ( @Taka09KMY )
食べチョク( https://www.tabechoku.com/ )
Cookpy( https://cook-happy.com/ )
葛西スペース・赤松武子さん( https://www.kasaispace.com/ )
長野県・フルプロ農園
千葉県・自然野菜のら
いしさん、そるるなさん、チランさん、みっきーさん
企画・監督:江六前一郎さん
記録:田窪綾さん(食のライター)
:藤野こと
サポートメンバーも続々とブログやnoteを公開しています。
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